当科での研修をしたスタッフから専攻医へのメッセージ

~心臓外科医への1歩を踏み出すのに不安な人へ~

氏名:木南 寛造

卒業年:2011年 初期臨床研修:日本赤十字社医療センター

出身大学:東京慈恵会医科大学

サブスペシャリティ:心臓外科  日本心臓血管外科学会U-40 東京支部 幹事

大なり小なり心臓外科医を目指す時には不安があり、その原因は周りからのネガティブな意見など様々な理由があるでしょう。しかし人生は一度きり、医者としての人生も一度きりです。少しでも心臓外科に興味を持ってくれたあなたは心の奥底に患者の命を救いたい、社会に貢献したい情熱が眠っているはず。

心臓外科医を志したきっかけ

初めのきっかけは臨床実習中に見学した、開心術で心停止した心臓が再開する瞬間のドキドキ感です。そして医学生の時にUCLAで見学した小児心臓手術の格好良さでした。もともと小児医療に興味があり、小児心臓外科が自然歴では程なくして死に向かう子供の命を逆転サヨナラ満塁ホームランばりに自らの手で救い、人生の歓びを与えることが出来る。その他の診療科では到達できないような崇高なやりがいに思えたからです。

慈恵外科プログラムの魅力

慈恵医大に在籍する外科医はheartfulな人が多く、成長の過程でぶつかる様々な困難にも親身に相談に乗ってくれます。また様々なキャリアパスを歩んできた方々が在籍しており、私個人は米国での修練を計画していたので毎年参加させていただいた国際学会やtop surgeon達との会食は非常にexcitingでした。またキャリアの中でstep upに必要な研究・学会発表指導、執刀・助手の機会を多く得ることができます。外科専門医に必要な執刀経験は関連施設で3−6ヶ月で修了し、成人・小児・血管外科領域の手術を様々な施設で経験させていただき外科専門医を医師6年目、心臓血管外科専門医を医師8年目と最速で取得できました。この基礎を生かし医師9年目からアメリカでのクリニカルフェロー研修を予定しています。また海外留学だけでなく当講座では様々なhigh volume centerと連携しており国内留学でのstep up、臨床大学院での学位取得など幅広いキャリアプランに対応しています。

これから外科を志す方へ

医師としての歓びは”患者を救うこと”だと思っています。ガイドラインが整備され、AIが開発される現代医療においてその歓びを真に体現出来るのは自らの手で患者を救う外科医ではないでしょうか。情熱を持った皆さんと共に働けることを楽しみにしています。

~心臓外科を志す皆さんへ~

氏名:雨谷 優

卒業年:2015年 初期臨床研修:東京慈恵会医科大学附属柏病院

出身大学:東京慈恵会医科大学

サブスペシャリティ:心臓外科

心臓外科医を志したきっかけ

誰かに喜んでもらえる、誰かのためになる仕事をしたいと思い、医師を志しました。しかし実際に医療の現場に出てみると、整備されたガイドラインに従って画一的な医療を行うことが多く、あまりワクワクを感じませんでした。自らの手で患者さんを救いたい!という初志を思い出し、外科医になろうと決めました。その中でも心臓外科は、ただ悪いものを切除するだけでなく、弁の形成や冠動脈の血行再建などのように、新たに作り直して機能の回復を目指すという領域であり、他にはない魅力を感じました。もちろん簡単にできることではないですが、難しいからこそ、そこにワクワクがあるだろうと感じ、心臓外科医になることを決めました。

心臓外科研修プログラムの魅力は?

慈恵医大心臓外科にはアットホームな雰囲気があります。親身に相談にのってくれる先輩や、丁寧に指導してくれる上級医に囲まれとても充実した研修生活が送れています。さらに、初期から様々な病院で研鑽を積むことができるのも特徴です。慈恵医大の関連病院だけでなく、榊原記念病院や佐久総合病院、埼玉小児医療センターなどといった各分野で有名な施設で研修を行うことで、早くから多くの経験を積むことが可能です。また、留学や大学院などで活躍できる環境も整っており、自分に合ったライフプランを見つけやすいとも感じます。

これから心臓外科を志す人へ

昨今、外科医が減少傾向と嘆かれています。しかし逆に考えれば、それだけチャンスが増えているとも言えます。もちろん大変だと感じることもありますが、それだけやりがいがあることも事実です。今後皆さんと、よき友、よきライバルとして一緒に働けることを楽しみにしています。

~independent surgeonを目指して~

氏名:石割 圭一

卒業年:2015年 初期臨床研修:東京慈恵会医科大学附属柏病院

出身大学:東京慈恵会医科大学

サブスペシャリティ:心臓外科

外科医を志したきっかけ

高校生の時に部活動で足を骨折し、手術を経験しました。その時、患者さんの手術を受ける不安や恐怖心を知り、外科医という自らの技術で患者さんを助けられる職業に憧れ、医師を目指しました。また外科医の中でも、手術によって救命ができる、機能を再建できる、QOLを向上できる心臓外科医になりたいと思いました。

慈恵医大外科専門研修プログラムの魅力

国内でも有数のhigh volume centerへの研修も可能であることが、非常に魅力的であると思います。私自身は榊原記念病院、埼玉県立小児医療センターで研修し、2年間で500例以上の手術を経験しました。 independent surgeonを目指す上で最も大切なのは、mentorとの出会いだと思います。様々な施設へローテーションすることで、色々な外科医と出会い、一つの手術に対する理解が深まります。また海外留学や学位取得など、様々なキャリアプランにも柔軟に対応しています。

これから外科を志す人へ

どういう外科医になりたいですか?年間200人を20年間執刀し続けても、助けられる患者さんの数は4000人です。つまり一人の心臓外科医が執刀する患者さんの数は決して多くないです。ただし研究・教育をすることで、間接的に自分が関わる患者さんの数を無限に増やす可能性もあります。どのような外科医になりたいか、答えは十人十色ですが、全員に共通することは外科医としての寿命の砂時計は、医学生・研修医の時からすでに砂が落ち始めているということです。心臓外科でIndependent surgeonを目指すには、非常に厳しい修練が待っていますが、ぜひ一緒に切磋琢磨しましょう。